起業前の課題の第1位は「資金調達」です。

どのような素晴らしい構想であったとしても、資金がなければ起業は実現しません。

充分な担保力やしっかりとした保証人がいれば起業前であっても銀行はお金を貸してくれますが、

そのような恵まれた環境にある人はめったにいません。

 

このページでは、一般の銀行に頼らずに起業資金を調達するための主だった方法を解説します。

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 ◎政府系金融機関の創業者向け融資制度を利用する

 ◎都道府県や市町村の創業者向け融資制度を利用する

 ◎民間のファンドによる出資を利用する

 ◎クラウドファンティングで資金を集める

    ◎確実に資金を調達するために必要なこと

政府系金融機関の創業者向け融資制度を利用する

ここでいう政府系金融機関とは、日本政策金融公庫のことです。

全国各地に拠点があり、個人の創業者であっても最大7,200万円まで融資をしてくれる制度があります。

 

中でも、起業したい人にとって夢のような融資制度が “新創業融資制度” です。

雇用を伴う事業を始める、脱サラ前の会社と同業種の事業を始める、国の産業競争力強化の政策と合致した事業を始める方などの要件に該当する場合に 最大3,000万円(運転資金だけの場合は1,500万円)が無担保・無保証で借りられる という内容です。

無担保無保証ということは、世の中の中小企業経営者が苦しめられている経営者本人の連帯保証も求められないということです。

起業者向けの融資の場合、起業に必要な資金の内の一定割合を自己資金で賄うことが通常求められますが、この融資制度では1/10以上自己資金で賄っていればクリアーできます。

都道府県や市町村の創業者向け融資制度を利用する

都道府県・市町村(東京特別区は区ごと)が、独自の創業者向け融資制度を設けています。

地域の経済の発展や税収の増加を目的とした政策の一環です。

制度の内容はまちまちですが、地域内で起業すること、住民税を滞納していないこと、起業に必要な資金の内のおおむね1/2程度を自己資金で賄うことなどが共通した要件になっています。

 

(例)

①東京都の各区が設けている「創業支援資金制度」

1,500万円前後を上限として、無担保無保証融資の実行、金融機関への融資あっせん(金利の一定割合や信用保証料の助成あり)をしてくれる支援制度です。

②大阪府が設けている「開業サポート資金制度」

開業後一定期間、商工会議所等によるフォローアップを受ける(=起業後の経営安定化が目的)ことを条件に、民間の金融機関を通じて、最大2,500万円までの融資を受けられる支援制度です。

 

融資だけではなく、指定された業種や技術分野での起業を果たす創業者向けの補助金制度を設けている都道府県や市町村もあります。

 

起業を予定している都道府県や市町村に問い合わせれば創業者向け融資や補助金制度の存在を教えてくれますし、制度の存在を元にして起業する場所を決定する選択もあります。

民間のファンドによる出資を利用する

世の中には、優れた技術やノウハウを持った人の事業を応援してくれるファンド(=基金)がいろいろとあります。

そのようなところに、起業を予定している事業の内容を説明して出資をお願いする資金調達方法もあります。

 

しかし、これには一つ難点があります。

起業を予定している事業の内容と合致したファンドを見つけることが非常に難しいということです。

ファンド側にも、このような事業を行う相手に対して、このような趣旨で出資をしたい、という目的があり、それと合致していなければ話が前に進みません。

 

そこで朗報なのが、中小企業基盤整備機構によるサポートです。

ファンドの仕組みを分かりやすく教えてくれ、目的にあったファンド探しに対するサポートや経営・資金計画の作成サポートなどもしてくれます。

 

◎目的にあったファンドを探すのに役立つサイト

http://www.smrj.go.jp/fund_search/cgi-bin/search.cgi

 

◎中小企業基盤整備機構の相談窓口(全国九カ所)

http://www.smrj.go.jp/kikou/gaiyou/012105.html

クラウドファンティングで資金を集める

最近では、ネットを通じて、事業やサービスに共感した人から資金を集めるクラウドファンティングの事例が増えています。

多額の資金を集めるのには向いていませんが、百万円程度の資金を確保するための選択肢としては有効です。

 

クラウドファンティングで資金を集めるためには、専用のサイト上で、事業やサービスの目的や内容をアピールしたうえで、出資してもらう条件を設定する必要があります。

 

なお、クラウドファンティングを利用するにあたって、サイト運営者による審査や指導があったり、出資してくれる相手に対して見返りを設けることを求められるケースも多いです。

 

◎有名なクラウドファンティングサイト

・CAMPFIRE;日本で最大規模のクラウドファンティングサイト https://camp-fire.jp/

・Kibidango(きびだんご);成功率の高いことで有名なクラウドファンティングサイト https://kibidango.com/

・READYFOR;日本初のクラウドファンティングサイト https://readyfor.jp/

・READYFOR;サイバーエージェントが運営するクラウドファンティングサイト https://www.makuake.com/

確実に資金を調達するために必要なこと

創業者向けの融資や出資に関する制度はいろいろとありますが、いずれの場合も、事業の内容や取り組み方、目標とする収益や確実に成長していくと思わせる理由や根拠を明確に説明できないと話は前に進みません。

話をする相手も一人とは限らないので、説明をしなければならないことを可視化する必要があります。

 

すなわち、きちんとした事業計画書が必要になるということです。

事業計画書には決まった書式はないのですが、初めて話を聞いた人でも事業の内容をイメージできて成長していくことが期待できるのだと思わせるような内容でなければ意味をなさないので、作り方にコツがあると言えます。

 

その道の専門家に相談しながら作成し、家族や友人・知人にも見てもらい、事業の内容がイメージできるか、成長していくことが期待できると思えるか、というようなことを確認して完成させることが効果的です。

★事業計画書の内容に関しては、起業マニュアルページの第一段階や第二段階の内容を参考にしてみてください。

起業マニュアル